兵庫県立男女共同参画センター・イーブン

【8/4(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性の貧困と子どもの貧困~コロナ禍で見えてきたもの~」を開催しました!

男女共同参画

[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾終了セミナー]

【8/4(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性の貧困と子どもの貧困~コロナ禍で見えてきたもの~」を開催しました!

開催日:
8月4日(木)10:30~12:30
 このセミナーは、第26期男女共同参画アドバイザー養成塾の第10回講座を公開したものです。
 社会学者(博士)で専門社会調査士の神原文子(かんばらふみこ)さんをお招きし、男女共同参画アドバイザー養成塾公開講座/男女共同参画セミナー「女性の貧困と子どもの貧困~コロナ禍で見えてきたもの~」を開催しました。
 この講座では、日本において女性と子どもが貧困に陥っている現状やその起因となっている政治・経済・社会的背景等について、様々なデータに基づき解説くださるとともに、そうした貧困を打開するために何が必要であるかを支援制度の構築や社会構造の見直しを含め、わかりやすくお話しくださいました。
 公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
 受講生からは、「1980年代に「夫は働けるだけ働き、妻は家族のケアを引き受ける」という社会を目指したことで、今の男女共同参画の停滞や弱者の貧困問題があるのだと気づきました」「今日、日本の政策そのものが女性を分断する仕組みになっていることを学ぶことができました」「自立するということは人に頼らず生きていくことだと思っていましたが、頼れる人を多く見つけ、他者の生き方を尊重し、自己改変力をつけて、他者との結合促進的な関わりを持つことだと気づきました」等の感想があり、女性と子どもが生きづらい日本社会の課題解決に向けて考える有意義な時間となりました。
     1980年代は社会保障政策が縮小された「日本型福祉社会」へと方向性を定めた時代である。
    ※ 日本型福祉社会・・・「男が外で働くだけ働き、女が内でケア労働を担う」ような家庭の自助努力により社会福祉の公共コストを圧縮することを目指した社会
     日本型福祉社会が目指した「近代家族」は、男女が平等な家族ではない。
    ※ 近代家族・・・「男は外、女は内」→「世帯主は男、女は主婦」→「夫による扶養、妻子は被扶養」→「嫡出原理」 図を時計回りにみると、男が女と子どもを支配する文化を創り出していることがわかる。
     女性の貧困とは、一言で言うと「母子世帯」を表している。単身世帯でみても女性の方が男性より貧困になりやすいのは、女性は正規雇用されにくいジェンダー不平等な社会環境があるためである。非正規雇用の場合をみたとき、日本では家計収入の基礎となる最低賃金が低いことなどが積み重なって、子づれシングル女性が社会的弱者として排除される生きづらい社会構造が常態化している。
    ※ 子づれシングル・・・子どもを養育している無配偶の生活者
     そのような「生きづらさ」や女性と子どもの貧困がコロナ禍において助長されている現状にあって、子づれシングルを包摂する社会モデルを構築するための基本的な考え方や制度の確立、具体的な取組の方向性、経済的・政治的・社会的・文化的自立を担保する「人権」とは何かをこの講座を通して考えてほしい。 「自立」とは、「人に頼らないことではなく、周りに頼れる人をみつけられる、社会全体で互いを支える仕組みを作ることであり、誰もが自分らしい人生を送り、貧困から脱して「幸福」になる権利があることを誇りに思うことである。
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