兵庫県立男女共同参画センター・イーブン

【8/4(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「地域防災と女性~男女共同参画の視点から地域防災を考える~」を開催しました!

男女共同参画

[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾終了セミナー]

【8/4(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「地域防災と女性~男女共同参画の視点から地域防災を考える~」を開催しました!

開催日:
8月4日(木)13:30~15:30
 このセミナーは、第26期男女共同参画アドバイザー養成塾の第11回講座を公開したものです。
 関西学院大学災害復興制度研究所主任研究員・准教授の斉藤容子(さいとうようこ)さんをお招きし、男女共同参画アドバイザー養成塾公開講座/男女共同参画セミナー「地域防災と女性~男女共同参画の視点から地域防災を考える~」を開催しました。
 この講座では、阪神・淡路大震災、東日本大震災等での避難所の運営、被災生活等とそこでの性暴力や生活再建の取組にかかる実態調査の結果に基づき、女性の視点から地域防災を考察・検討し、改革・改善するための考え方や施策のあり方、具体的な取組等について、わかりやすくお話しくださいました。
 公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
 受講生からは、「傍観者にならぬよう今日の学びを生かしていきたい」「災害時こそみんなが生きられる支援とそのために女性の視点が必要だと思いました」「『養分的活動』はどれもとても印象的で、防災イベントなどに参加したときには運営側になった場合にどうするかを考えていこうと思いました」等の感想があり、今後の取組に向けて有益な事例を学ぶとともに、女性の視点から地域防災を考える重要性を認識できた有意義な時間となりました。
     この講座では、「地域防災」とは地域社会でどんな取組・活動をすることなのかを考え、その取組や活動に女性がどう関わっていくかを考える。その考察の仕方は、木に例えると、まず、葉や花といった目に見える部分(=災害の結果)について考察し、次いでそれらを支える枝や幹(=その結果を引き起こしている制度や政策)について考える。最後にその木の根の部分、土の下の目に見えない部分(=制度や政策を作り出すきっかけになった社会環境等)について考える。
     避難所、被災生活の実態調査からは、平時でみられる固定的性別役割(=男は避難所の外で、女は避難所の中で)が強化された状況が見られるほかに、性暴力(=セクハラやDVといった性別に基づく不平等は力関係によって生じる暴力)も増えることが明らかになってきている。
     避難所や被災生活において、ジェンダー不平等が助長されるのは、それらの制度・政策に不平等を助長するメカニズムが備わっているからである。例えば、避難所の開設期間は発災後7日間と規定され、その程度の短期間であれば耐えられるという考え方に基づいて、物資の供給や寝食の環境の限度が規定されたことから、避難者すべてをカバーするような十分な措置がとられることがないため、結果として、弱者である婦女子に負担が大きいものとなっている。こうした状況を改善するためには、女性の視点が必要であるが、自主防災組織の役員や行政が組織する防災審議会の委員等に占める女性の割合は相変わらず低いままである。
     そこで、地域防災に携わる女性の割合を増やすための取組をしていく必要がある。こうした社会環境を作っていく活動を「養分的活動」というが、岡山市では、「誰ひとり取り残さないジェンダーの視点で考える防災パネル」をテーマに地域住民が防災について学んだ成果をパネルにして、地域の公民館等に貸し出せるようにし、住民啓発に資するとともに、次の学びにつなげていくという活動を行い、地域防災に携わる女性を増やすことに成功している。
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