兵庫県立男女共同参画センター・イーブン

【9/1(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性の健康問題とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ~身近な課題をジェンダーの視点から考える~」を開催しました!

男女共同参画

[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾終了セミナー]

【9/1(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性の健康問題とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ~身近な課題をジェンダーの視点から考える~」を開催しました!

開催日:
9月1日(木)10:30~12:30
 このセミナーは、第26期男女共同参画アドバイザー養成塾の第12回講座を公開したものです。
 神戸市看護大学教授の高田昌代(たかだまさよ)さんをお招きし、男女共同参画アドバイザー養成塾公開講座/男女共同参画セミナー「女性の健康問題とリプロダクティブ・ヘルス/ライツ~身近な課題をジェンダーの視点から考える~」を開催しました。
 この講座では、リプロダクティブ・ヘルス/ライツは人権課題であることや、性と生殖に関連すること-月経・月経困難症/-妊娠、出産、育児/-不妊/-人工妊娠中絶、避妊/-性感染症 の5つの身近な健康問題について、解剖学的な知識とジェンダーの視点からわかりやすくお話しいただきました。
 公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
 受講生からは、「月経のことや性教育を母から伝えることも大切だと思いました」「自分のからだのしくみとホルモンについて知らなかったことの多さにショックを受けました」「自分の身体のことを決めるのは自分であるということが当たり前のようで当たり前でないことに気づくきっかけになりました」等の感想があり、女性の健康に関連する身近な課題をジェンダー視点を通して考えることの重要性を深く認識できた講座となりました。
     これまで日本では「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」と表記され、「セクシャル」はつけてこなかったが、「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ:性と生殖に関する健康と権利」とするのが正しく、“SRHR”と略記されることも多くなっている。リプロダクティブ(生殖)の側面に偏ることなく、セクシャル・ヘルス/ライツ(性の健康と権利)の側面について正しい理解を推進することが、女性活躍(就業)やLGBTQ+などのジェンダー課題の解決にもつながると考えられている。
    ※ SRHR:Sexual and Reproductive Health Rights の各単語の頭文字
     女性のからだについて、解剖学的な知識をもつことが重要である。この日は、女性の下腹部(骨盤内臓器)の模型をもって解説してくださった。どの臓器(ホルモン)がどんな働きをすることで「月経」やそれに起因する女性の健康問題が発生するかが示された。「初経」を迎えた女子に「あなたも子どもを産める身体になったのよ」との声かけは、一種のジェンダー・バイアスで、「リプロダクティブ・ライツ」には「産まない」という選択肢もあることを隠すマイナスの効果をもたらしているとの指摘もあった。
     「初潮」は俗語で「初経」が、「生理」は代用語で「月経」が、それぞれ正しい用語なので「この講義を聴いた皆さんは、これから正しい用語を使ってください」との言葉もあった。
     「月経痛」を侮ってはいけない。治療を要する「月経痛」=「月経困難症」は、年間1兆円もの経済損失を発生させており、男性が「女性のあれね」などという対応は損失を放置しているだけである。こうした損失を回復することは男女が共に働くこと同義であり、世の中が女性のからだに理解をもつことが必要不可欠であることを示している。
     なぜ女性が「育児」を一手に引き受けるのか。こうした現状が、妊産婦うつの問題を引き起こしている。「男性の育児参加」という言葉は、暗黙に「育児」が女性に任されていることを助長している一種のジェンダー・バイアスである。
     スライドは、とりわけ日本の男性が「育児」「家事」に関わる時間が少ないことが示されている。
     「不妊」「避妊」「性感染症」と、性と生殖に関して、女性の負担が大きい。健康で自分らしい人生を築くために、「わたしの体や心はわたしのもの。だから、わたしの体や心のことは私が決める。決めることができる。そんなあたりまえをあたりまえに。」していきたいものである。
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