兵庫県立男女共同参画センター・イーブン

【9/1(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性のキャリア形成へのヒント~女性の活躍を引き出すフルキャリマネジメント~」を開催しました!

男女共同参画

[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾終了セミナー]

【9/1(木)】イーブン30周年・第26期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「女性のキャリア形成へのヒント~女性の活躍を引き出すフルキャリマネジメント~」を開催しました!

開催日:
9月1日(木)13:30~15:30
 このセミナーは、第26期男女共同参画アドバイザー養成塾の第13回講座を公開したものです。
 株式会社野村総合研究所未来創発センター・エキスパート研究員の武田佳奈(たけだかな)さんをお招きし、男女共同参画アドバイザー養成塾公開講座/男女共同参画セミナー「女性のキャリア形成へのヒント~女性の活躍を引き出すフルキャリマネジメント~」を開催しました。
 この講座では、企業で働く女性社員のマネジメントにおいて、管理職や女性社員に対する意識調査等により「フルキャリ」という新たな視点を提案するとともに、そうした研究を進める過程で得た実感などを踏まえて、女性活躍を推進していく上で重要な考え方や取組み等について、平易に解説いただきました。
 公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
 受講生からは、「女性キャリアの概念、フルキャリに対して、ほとんどの女性はここにいると感じました」「女性のキャリアを男女共同参画視点で語られる時に感じていたモヤモヤは、フルキャリという新たな視点が加わったことでスッキリしました」「この講座こそが今まさに子育てをし、仕事をしている女性が理解してほしいこと、社会として取り組んでほしいことだと思います」等の感想があり、企業、地域社会にかかわらず、女性活躍を推進するための考え方や組織的な取組みについて、新たな学びを得られました。
※ フルキャリ:暮らしや子育てにも仕事やキャリアにも意欲的に取り組みたいと考える従業者のこと。2015年7月にNRI(野村総研)が発表した新たな価値観、行動特性を持つ働き手の総称
    <武田さんが女性活躍について研究をはじめたきっかけ>
     労働力不足時代の組織成長の鍵を握るものとして女性人材を捉え、育児、介護、治療など様々なないがしろにできない事情を抱えながら働く人材であっても、各人の成長と貢献を確実に引き出す組織的取組がこれからの組織成長の鍵を握ると考えた。雇用・労働政策などマクロな視点も必要だが、女性社員の働き方や働くモチベーションを維持するマネジメントの問題として「フルキャリマネジメント」を提案してきている。
    <女性のキャリアを考える>
     これまで、家庭やプライベートの時間確保を優先し、それが許す範囲で仕事することを望む「ゆるキャリ」と 極力、家庭やプライベートの都合を仕事の制約にせず、仕事での成果やキャリアアップを追求したい「バリキャリ」の二元論で語られてきた。そこに、暮らしや子育てにも、仕事やキャリアにも、意欲的に取り組みたいと考える「フルキャリ」という概念を持ち込んでみると、女性社員のマネジメントや働き方のサポートはいっそう具体的な方向性が見えてくるのではないかと考えた。
     「フルキャリ」のネーミングには、“fulfill”:「全うする」「達成する」といったポジティブな意味の「フル」と、時間的にも精神的・肉体的にもいっぱいいっぱいになる“full”というネガティブなイメージを重ね合わせた。
    <フルキャリは働く女性の2人に1人>
     野村総研が2021年に実施した「働く女性に聞く仕事とキャリアの本音調査」によれば、働く女性の2人に1人は、暮らしや子育てにも、仕事やキャリアにも意欲的に取り組みたいと考える「フルキャリ」であることが分かっている。
    「フルキャリ」51.2%、「バリキャリ」17.7%、「ゆるキャリ」31.1%
    <フルキャリ活用において、従来の女性活躍支援は必ずしも最適ではなかった>
     従来、家庭理由による離職を防止する両立支援の提供=時短勤務への補助や育休復帰支援といったファミリーフレンドリー施策とよばれるもので、「ゆるキャリ」女性の就業支援に大きな効果を発揮してきた。また、性別によらない男女均等機会の提供=採用、登用、社内教育における女性に対する積極的支援策によって、2015年当時に9%程度だった「バリキャリ」の割合を2021年には17.7%まで押し上げたように一定の効果があったと考えることができる。
     ここで、組織に2人に1人いる「フルキャリ」にダイレクトにとどく支援をおこなうことができれば、もっと組織成長に貢献するのではないかというのが「フルキャリマネジメント」である。
    <「フルキャリ」の活躍を最大限に引き出すマネジメントに求められる『3つの「き」』>
     「フルキャリ」の特性を調べていったところ、仕事へのやりがいに「成長と貢献の実感」が重要であること、子育てなどの家庭との両立について管理職が思うほど業務上の配慮を望んでいないこと、子育てをしながら働くフルキャリの多くが、家庭の状況も上司と共有しておきたいと考えていることが分かってきた。
     これらのことから、「フルキャリ」に対しては、[期待]“仕事”での成長・貢献 を期待すること、[共有]仕事への意欲と取り巻く家庭の状況を共有すること、[機会付与]成果につながる積極的な機会を付与することの3つの「き」が、活躍を最大限に引き出すと考えられる。
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