兵庫県立男女共同参画センター・イーブン

【8/17(木)】第27期男女共同参画アドバイザー養成塾第9・10回講座「地域課題を解決する事業の策定~プロジェクト・サイクル・マネジメント手法を学ぶ~」を開催しました!

男女共同参画

[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾終了セミナー]

【8/17(木)】第27期男女共同参画アドバイザー養成塾第9・10回講座「地域課題を解決する事業の策定~プロジェクト・サイクル・マネジメント手法を学ぶ~」を開催しました!

開催日:
8月17日(木)10:00~16:00
 関西国際大学客員教授の斉藤容子(さいとうようこ)さんをお招きし、第27期男女共同参画アドバイザー養成塾第9・10回講座を開催しました。
 この講座は、「地域課題を解決する事業の策定~プロジェクト•サイクル•マネジメント手法を学ぶ~」と題して、男女共同参画社会づくりを進めるため地域社会の課題を見つけ出し分析力を養うとともに、その解決策となる事業計画を策定するためのスキルを学ぶ講座です。サブタイトルの「プロジェクト・サイクル・マネジメント手法」(PCM手法)は、具体的な分析方法のひとつで、外務省の外部団体である国際開発高等教育機構(FASID)が海外援助機関で国際協力に貢献する手法として開発したものです。この手法は計画立案までを中心とした参加型計画手法と、モニタリング・評価手法からなっています。
 この講座では、講師の指導の下、受講者はテーマ別に4つのグループに分かれて、参加型計画手法の演習を行いました。
 午前中は問題を分析する手順の説明と演習、午後からは目的と手段を具体化する手法の演習、それらの分析に基づいた地域プロジェクトの選択とそのプロジェクトを達成するための具体的な事業計画(PDM:プロジェクト・デザイン・マトリクス)の立案/検討を行いました。
 受講者からは「問題を深く掘り下げて考えることで、問題、課題の洗い出しができることがわかった」「問題を細かく分けていくことで、様々な問題の原因や対応策に合理的に気づくことができた」「事業案件目標は、かなりハードルが高いものを設定しましたが、問題分析、目的分析を行ったおかげでとてもスムーズにプロジェクトを立案できました」等の感想が寄せられ、今後、それぞれの地域や職場での活動を進めていくうえで、多くの知識とノウハウを学べた講座となりました。
    <写真: 講座目的とPCM手法及び本日のテーマについての説明>
     まず、次の3点についての説明がなされました。
     ①本講座の目的は、PCM手法を私たちの地域課題の解決に活用することを目指した同手法スキルの演習であること
     ②PCM手法は、もともと開発途上国における課題解決型プロジェクト立案を円滑に且つ合理的に行う目的で開発されたものであること
     ③本日は、第3・4回の情報活用講座で演習した4つのテーマをもとに中心問題を考え、それらの中心問題についてPCM手法によりアプローチすること
     受講生たちが取り組んだ4つのテーマは、次のとおりです。
     A 男性社員が育休を取得したいのに取得できなくて困っている
     B 交際相手からの暴力に多くの若い女性が悩んでいる
     C 家族(特に息子)による高齢者虐待が増えている
     D 学校や学数塾の先生が、子どものLGBTQの対応に悩んでいる
    <写真2: 中心問題を設定するグループワーク>
     4つのテーマから、次のとおり中心問題が設定されました。
     A 男性社員が育休を取得できない
     B パートナーからの暴力に悩む女性がいる
     C 見守っている(介護する)息子による高齢者虐待が増えている
     D 先生がLGBTQの理解ができていない
    <写真3: Bグループによる問題分析のまとめ>
     Bグループでは中心問題を、テーマにあった「交際相手」から広げて、「パートナーからの暴力に悩む女性がいる」に設定しました。そしてこの問題の原因を深掘りしていき、それら原因を「女性に起因するもの」「パートナーに起因するもの」「双方に起因するもの」の3つに分類し、深掘りしていきました。
    <写真4: Cグループによる目的分析のまとめ>
     Cグループの中心問題「息子による高齢者虐待が増えている」を「息子による高齢者虐待がなくなる」という肯定文に書き換えることにより中心目的に設定し分析を進めました。次いで、原因分析で書き出した虐待が増える原因の一つである「施設にあずけられない」「施設の利用の仕方がわからない」を「介護サポート利用できる、利用の仕方を理解している」と書き換えて、中心目的にいたる手段を明らかにしていきました。
    <写真5: DグループによるPDM作成のまとめ>
     Dグループは、テーマである「学校や学数塾の先生が、子どものLGBTQの対応に悩んでいる」から、中心問題を「先生がLGBTQの理解ができていない」に設定し問題分析を進め、中心目的を「先生がLGBTQの理解ができている」として、この目的の達成に必要な手段を考察していきました。問題とそれを反転した目的を「学校」「家庭」「社会」「子ども本人」の4つのアプローチに分類できたことから、「学校」=「教育者」に焦点をあて、教育者のLGBTQに対する理解増進のための活動を組み立てるプロジェクトとして、「みんなで築くやさしいまちづくり」をプロジェクト名とする簡易PDMを完成しました。
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