[開催報告男女共同参画セミナー男女共同参画アドバイザー養成塾]
【7/13(土)】第28期男女共同参画アドバイザー養成塾 公開講座/男女共同参画セミナー
「性的指向・性自認(SOGI)の多様性~差別や偏見のない社会づくりのために~」を開催しました!
- 開催日:
- 令和6年7月13日(土)10:30~12:30
このセミナーは、第28期男女共同参画アドバイザー養成塾の第5回講座を公開したものです。
大阪公立大学大学院教授の東優子(ひがしゆうこ)さんを講師にお招きし、SOGIやLGBTQといった用語等の基礎知識、インクルージョンとダイバーシティ、マイクロ・アグレッション等について、具体的な事例に基づき解説いただくとともに、ダイバーシティ推進に取り組む意義とその方向性について、わかりやすくお話しいただきました。
公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
受講者からは、「二分化(男と女)された社会は単純であり、多様性を認識しづらいのはおろかであると思いました」「合理的調整など、状況環境を変えて公平・公正を保つことが重要だということがわかりました」「日常にある差別・偏見に声を上げていく大切さを感じました」等の感想が寄せられ、差別や偏見のない社会づくりをうながすためにどう行動をおこすのか、多くの気づきをいただきました。
大阪公立大学大学院教授の東優子(ひがしゆうこ)さんを講師にお招きし、SOGIやLGBTQといった用語等の基礎知識、インクルージョンとダイバーシティ、マイクロ・アグレッション等について、具体的な事例に基づき解説いただくとともに、ダイバーシティ推進に取り組む意義とその方向性について、わかりやすくお話しいただきました。
公開講座は、上記のもようを YouTube Live によるオンライン講座としてライブ配信したものです。
受講者からは、「二分化(男と女)された社会は単純であり、多様性を認識しづらいのはおろかであると思いました」「合理的調整など、状況環境を変えて公平・公正を保つことが重要だということがわかりました」「日常にある差別・偏見に声を上げていく大切さを感じました」等の感想が寄せられ、差別や偏見のない社会づくりをうながすためにどう行動をおこすのか、多くの気づきをいただきました。
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LGBTは、レズビアン(Lesbian)/女性同性愛者、ゲイ(Gay)/男性同性愛者、バイセクシュアル(Bysexual)/両性愛者、トランスジェンダー(Transgender)/出生時に割り当てられた性別と本人が自覚する性別が一致しない者 の英単語の頭文字をとった略語です。LGBまでは、性的指向(Sexual Orientation=性愛の対象)に基づく性の分別(ふんべつ)で、Tは性自認(Gender Identity)に基づくものです。
私たちの大部分は、「ヘテロセクシュアル/異性愛」で「シスジェンダー/生物学的性と性自認が一致するもの」に分別されると考えられているため、LBGTとされる人たちはかつては性的マイノリティと呼ばれてきました。これは性的にマジョリティであるものに対するマイノリティとするとらえ方であって、多様な性の様態を正確に表しておらず、蔑んだ表現であるとの誤解を避けられないだけでなく、LGBTらへの尊厳を認めるうえで、LGBTIやLGBTIQ、さらにはLGBTQ+ と呼称、表記しようというのが、現在の国連を含めた国際社会の認識です。
※ I=Intersex Q=Questioning または Queer
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「愛の対義語は憎しみではなく無関心だ。人々の無関心は常に攻撃者の利益になることを忘れてはならない。」ノーベル平和賞を受賞した作家・エリ・ヴィーゼルの言葉です。彼は、ハンガリー出身のユダヤ人で、生まれ育った町がナチス・ドイツに占領され、強制収容所に送られました。こうしたホロコースト体験を踏まえ、暴力や圧政や差別を告発する本を書き続け1986年にノーベル平和賞を受賞しました。写真は、言葉そのものとは無関係ですが、強制収容所に収容された人々のもので、胸のピンク色の逆三角形の縫い込みは、彼らが同性愛者であることが分かる識別標として胸につけさせられました。ピンク・トライアングルといいますが、1980年代にゲイの権利運動家たちが、その忌まわしい記憶を現代に甦らせることで、"Silence equals Death"(沈黙は死である)というスローガンを掲げて「私たちは黙っていたら、存在を認められない。だから声を上げよう」と訴えました。
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国際社会がLGBTQ+に対しての認識を普及啓発させ権利運動を拡大していく中、遅まきながら国内でも同様の取組が進められています。その一つに2015年の渋谷区ではじめて「パートナーシップ制度」が導入され、同性愛カップルの行政上の権利が認められつつあります。
LGBTという言葉がマスコミにさかんに取り上げられるようになったのが、この2015年ごろからです。こうしてLGBTが注目を集めるようになったにもかかわらず、法律上、同性婚は未だ認められておらず、G7の中では日本だけが同性婚を認めない国となっています。
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"Nature loves variety/diversity, but our society hates it."(自然は多様性を愛するが、社会がそれを嫌う) この言葉は、東さんの恩師であるミルトン・ダイアモンド(ハワイ大学医学部大学院教授)さんの言葉です。自然界は多様であることにより進化を促すのであって、多様性を認めないのは人間社会であることを表しています。「恋愛の対象が同性なんて不自然だ」というのは、自然界ではあり得ないことです。自然・不自然、健全・不健全などのように、多様な有り様を二つにわけて、どちらかに良い価値を与え、悪いレッテルを貼るのは間違いであることを認める必要があります。
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なぜ生まれたときの性別を生物学的な性別とせず、出生時に割り当てられた性別という言い方をするのですか? という質問に対する回答:性科学の世界で有名な言葉に「人間にとって一番重要な性器は脳である」という言葉があります。染色体の組み合わせではなく脳だというところが重要です。遺伝上、46xxで生まれてきても身体的特徴は完全に男性という人もいれば、46xyなのに女性という人もいます。太郎と命名されて男として育てられても、性別は性器ではなく、脳が決めるんだから、私は女性なんだというのは自然なことです。出生時には「男性」「女性」と割り当てられたけれども、将来変えるというのは当然のことという意味で、「割り当てられた」という言い方をします。